2016/11/26

大学ウェブマガジンにもっと個性とメッセージを!(共立女子大)


以前、本ブログの記事「メディア化する大学のウェブサイトたち」でも取り上げましたが、最近、大学が運営するウェブマガジンがかなり増えてきました。

11月に創刊した共立女子大学のウェブマガジンは、そんなたくさんある大学発のウェブマガジンのなかでも、ひと際、個性を発揮しているサイトです。ただ、大学のPRするだけが、大学のウェブマガジンのシゴトじゃないんですよ!

以下、大学プレスセンターより。


共立女子大学が女性のライフキャリアを支援するウェブマガジン「Advance!」を創刊 -- 同大出身の“社長”、桂由美氏をはじめ各界で活躍中のOGが登場 
共立女子大学・共立女子短期大学は11月14日(月)、学生のキャリア形成と自立志向を「ジブンゴト化」するウェブマガジン「Advance!」を創刊。ブライダルファッションデザイナーの桂由美氏をはじめ、各界で活躍するOGらによる自身の働き方や仕事のヒント、応援メッセージ、さらには「賢い女子のお金活用術」などお役立ち情報も読むことができる。(後略)
共立女子大学のウェブマガジン「Advance!」


だいたいの場合、大学のウェブマガジンは、自校についてよく知ってもらうことを目的にしているため、取り上げるテーマが幅広く、コンセプトがなかったり、ふわっとしていたりします。ですが、今回の共立女子大のウェブマガジンは、女性のライフキャリアの支援という明確なコンセプトをもとに運営されているようです。

コンセプトがしっかりと定まっていると、記事の企画が立てやすいし、伝わる記事がつくりやすくなります。まだ創刊してすぐのため記事数こそ少ないですが、どれもコンセプトが濃く反映された記事ばかりで好感が持てました。

また、大学プレスセンターによると、このサイトでは、今後、大学のある神保町エリアの企業、ヒト、スポットなども取り上げる予定とのこと。大学のウェブマガジンは、取材対象が自校と関係するヒト、モノに縛られることがよくあるのですが、今回のように具体的なコンセプトがあり、コンセプトに沿っていれば、大学とまったく関係ないことを取り上げても違和感なく読めそうです。

さらにこのウェブマガジンにはユニークなところがあって、ターゲットが在学生なんですね。多くの場合、こういったウェブマガジンは、高校生や、ぼやっと社会全般をターゲットにしているのに、あえて学内をターゲットにしています。

自分のところの学生向けなら、わざわざウェブを経由しなくてもいいんじゃないの? とツッコミが入りそうではあります。が、しかし、これはこれで大きな意味があるように思います。というのも、これだけコンセプトがはっきりした(しかも手の込んだ)サイトを在学生向けに立ち上げるという事実自体が、共立女子大が女子学生のキャリア教育に本気だと社会に強烈に伝えることになるからです。このサイトは、いわば共立女子大のキャリア教育の広告塔なわけです。

具体的なコンセプトを持って創刊することで、ウェブマガジンにメッセージ性が生まれるし、個性が生まれます。大学のウェブマガジンは、これからもじわじわと増えていくように感じていて、こういったなかで埋没しないようにするために、共立女子大のようなウェブマガジンの立ち上げ方は、かなり有効なのではないでしょうか。それに総花的に大学の“今”を伝えるだけでは、新着情報と大差がありません。そうじゃないところを表現してこそ、ウェブマガジンをやる甲斐があるように思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿