2016/12/03

面白いシンポジウムづくりとは、土日・祝日との戦いである(龍谷大)


大学のシンポジウムは、どの大学でも開催していますが、学術的で難しそうなものがほとんどです。しかし、今回、見つけた龍谷大学のシンポジウムはちょっと違っていて、アカデミックなものに興味がない人でも参加しちゃいそうなパンチがあります。

以下、大学プレスセンターより。

龍谷大学シンポジウム「日本料理の新しい味を探る」を開催 -- 客員研究員がプレゼンで紹介する料理を試食できる 
龍谷大学は、2017年2月18日(土)10時30分より、ANAクラウンプラザホテル京都にて、龍谷大学シンポジウム「日本料理の新しい味を探る」を開催する。当日は、同大学の食の嗜好研究センターに所属する研究員それぞれの研究成果を発表するほか、客員研究員がプレゼンテーションで紹介する料理をシンポジウムの参加者が試食することができる。また、当日の運営には、農学部の学生らも参画する予定。(後略)

大学のイベントを本ブログで取り上げるとき、どこをどういう視点で取り上げると面白さが伝わるのかを考えながら書きはじめます。でも今回のシンポジウムに限っていうと、面白い点を探す必要がないくらい面白そうです。

詳しくは大学HPに書いているのですが、今回のシンポジウムは第一部で、研究者VS料理人として、研究者と料理人の研究発表があり、第二部では京都の有名店の料理人によるプレゼンテーションがあります。そして第三部では、プレゼンテーションで取り上げた料理3品の実食ができるという構成です。

このプログラムを見て、はじめ「美味しんぼ」の「究極VS至高」が頭に浮かびました。内容はそこまで似てはいないのですが、VSという見せ方や、登壇する料理人が京都の有名店ばかりなところ、実際に食べられるところ、そこらへんに通じるものがあります。

グルメ漫画の名物企画を彷彿させるエンタメ要素があるおかげで、大学のシンポジウムにありがちな難しそうな印象がほとんど感じられませんし、ワクワク感があります。これって、これまでいろんなシンポジウムの情報を見てきましたが、かなりめずらしいことです。

仕事柄、シンポジウムの開催を知ると、他のシンポジウムと比べたり、大学のシンポジウムという枠ありきで面白そうかどうかを判断してしまいがちです。しかし、一般の人がシンポジウムの参加を検討するとき、そんなことは考えず、貴重な土日ないし祝日を使ってまで行く価値があるかという視点で見ているように思います(土日・祝日以外の開催もありますが…)。そういう意味では、シンポジウムの開催というのは、VS土日・祝日なわけです。

そう思うと、ただ研究者が発表したり、パネルディスカッションをしたりするだけで、土日・祝日に勝てるのかというと、テーマによっぽどの興味がある人以外だと、なかなか難しそうです。まぁ、興味がある人だけが来ればいいという考え方もありますが、それだと閉鎖的だし、いつまでたっても世界が広がりません。

土日・祝日と戦って勝つ。この意識でシンポジウムの企画立案に挑めば、もっともっと楽しいものができるんじゃないか。龍谷大のシンポジウムから、そんなヒントとエールをもらったような気がします。

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