2016/12/25

コミュニケーションとは“技術”か“姿勢”か(近大)


国際学部の創設時に英会話スクールのベルリッツと提携するなど、近畿大学の取り組みには合理的で思い切ったものが多く見受けられます。今回、見つけた就職活動支援のイベントも、そんな近大らしさが色濃く反映されたもの。他ではあまりやらなさそうな内容です。

以下、大学プレスセンターより。


月亭方正氏の「すべらん話」の創り方講座開催 吉本興業×近畿大学の包括連携協定に基づく就活支援イベント第一弾! 
近畿大学(大阪府東大阪市)は、吉本興業株式会社と、平成28年(2016年)12月15日(木)に包括連携協定を締結し、その第一弾として、平成28年(2016年)12月22日(木)、近畿大学東大阪キャンパスにて、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の月亭方正氏をお招きし就活支援イベント「すべらん話」の創り方講座を開催する。(後略)

いやいや、月亭方正さん、そこそこすべってますやん! と、まずは思ったのですが、まぁそこは置いといて。かなり斬新なイベントです。

キャッチーな内容なので、1・2年生が就職活動を意識するきっかけづくりに良さそうです。3・4年生にとっても、就活中はしんどくてテンションが下がりがちになるので、良い息抜きというか、気分を上げるきっかけになりそうですね。

しかもこのイベント、“第一弾”と銘打っており、今後、第二弾、第三弾と続くことが予測されます。他ではまずやっていないイベントなので、シリーズ化ないし、定例化されたら、就職支援の目玉イベントとして広報としても重宝するのではないでしょうか。

しかし一方で、このイベントに限ったことではないのですが、大学がいろんなシーンでアピールする“コミュニケーション能力”というものに、個人的には疑問を感じるところがあります。

というのも、これらコミュニケーション能力は、多くの場合、自分の意見を他者に伝えたり、しっかりと受け答えしたりする“技術”をさすように思います。でもコミュニケーションの本質はスキルじゃなくて、もっと精神的なところ、とどのつまり、相手への思いやりです。相手の立場や気持ちを理解して話す。これができていたら、立て板に水でなくても、言葉は相手のこころに刺さるはずです。

目下の大イベントである就職活動を乗り越えなきゃいけないため、そんな悠長なことを言ってられないのはジュウジュウ承知です。でも、就活のせいで、コミュニケーション能力はごく限られた一面のみクローズアップされて広まっています。このズレをただすために、就活支援の範疇から出てしまうかもしれないけれど、コミュニケーションの“技術”ではなく“姿勢”を学ぶ機会が、大学にはもっと必要なのかなという気がします。

0 件のコメント:

コメントを投稿