あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
2018年、最初に取り上げるトピックは、本ブログで何度か取り上げている大学博物館についてです。大学博物館は、大学の魅力を最も感じられる施設だと、これまでも記事で熱く語ってきました。この大学博物館の主流は、設置した大学の研究成果を紹介するタイプのように思うのですが、今回スポットライトを当てたいのは、また別のタイプの大学博物館です。
以下、毎日新聞より。
阿久悠記念館で特別展 漫画家・上村一夫の原画など紹介
作詞家・阿久悠の作詞活動50年、マンガ家・上村一夫のデビュー50年を記念し、特別展「阿久悠と上村一夫」が、阿久の母校、明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区)の阿久悠記念館で開かれている。阿久がシナリオを書き、上村が作画した漫画の原画などを紹介するもの。年内は25日まで開催され、年明けは展示品を入れ替え、1月8日から2月25日まで行われる。(後略)
阿久悠記念館は、以前、何度か訪れたことがあります。スペースはそこまで大きくないものの、阿久悠に関連する資料が充実しているうえ、書斎を再現した展示まであり、かなり見応えがありました。
この阿久悠記念館以外にも数こそ多くはないものの、卒業生をたたえる博物館というものは存在しています。私が知っているものだけですが、ざっと下記してみましょう。
・宮本輝ミュージアム(追手門学院大学)
・田辺聖子文学館(大阪樟蔭女子大学)
・米沢嘉博記念図書館(明治大学)
・會津八一記念博物館(早稲田大学)
これら以外にも、卒業生の寄付によって建てられた建物の名前を「卒業生名+○○館」としている場合もあるのですが、これは偉業をたたえるというのとは少し違うので、今回はのぞきました。
大学にとって卒業生はわかりやすい教育成果になるため、有名企業に勤務する卒業生はパンフレットやウェブサイトに積極的に取り上げられます。しかし、博物館がつくられるような卒業生は、ビッグネーム過ぎたり、すでに亡くなっていたりする場合が多く、なかなか広報ツールには出てきません。でもだからこそ、オープンキャンパスなどで大学に訪れたとき、これら博物館の存在を知り、見学するとけっこうなインパクトがあるように思います。
また、それとともに思うのは、これらレジェンドまではいかないものの、かなりすごい卒業生というのが、どの大学にもある程度いるように思うのです。これら準レジェンド級卒業生もまた社会的には超一流であり、多忙を極めているはずです。取材するチャンスもおそらく多くないわけで、そうなると受験生はこの人たちを知る機会がほとんどありません。
もしこの考えが合っているのだとすれば、一人の卒業生をたたえる博物館もいいのですが、これら偉人とまではいかないまでも、ものすごい卒業生たちの業績を一挙に集めた博物館というものがあってもいいのかな、という気がします。展示スペースがあって、さまざまな卒業生たちの業績がカテゴライズされて並んでいる。わかりやすいし、インパクトがあります。ウェブと連動していると、さらに効果的かもしれません。
こういった取り組みは、受験生に効果があるだけでなく、社会全般にとっても“卒業生を大事にする大学”というイメージを植えつけられるので意味があるのではないでしょうか。
卒業生が母校をアピールすることは、なくはないですが、そう多くはありません。なら、母校の方から積極的に打って出る。しかも、その情報を蓄積できるかたちで。卒業生にとって励みになるし、これからは大学と卒業生や地域との結びつきが一層大事になっていきます。こういう背景も考えると、これはぜひともやっておくべきことのように思うのです。
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