2019/03/01

大学受験を、新しい仲間とのファーストコンタクトと考える(京都大)


大学受験のニュースというと、志願者数の増減であったり、入試のミスであったり、どちらかというとシリアスな内容が取り上げられることが多いように思います。そんななか、ほっこりした気持ちになる話題で、しかも二つも取り上げられている大学がありました。こういうの、やっぱり大事です。

以下、朝日新聞デジタル(一つ目二つ目)より。

京大に「平成」持つハリボテ、即撤去 台座に折田先生像 
京都大で入試の2次試験が始まった25日、「平成」を掲げる小渕恵三官房長官(当時)を模したハリボテが吉田キャンパスに登場した。作者は不明だ。 
入試に合わせて毎年ハリボテが登場し、受験生を迎える。ここ数年はゲームキャラクターや芸人だったが、代替わりする今年は世相を反映させたようだ。(後略

京大タテカンも受験生応援 「合格」「必勝」並ぶ 
京都大の2次試験が25日に始まり、吉田キャンパス(京都市左京区)の正門前に無許可の立て看板(タテカン)9枚が並んだ。「必勝 合格するにゃ~」「合格祈願は吉田神社へ」など入試をふまえた内容で、通りかかった受験生が目をやっていた。(後略

前者は毎年恒例になっている折田先生像の記事で、後者は近年いろいろと物議を醸した立て看板を使って受験生にエールを送った記事です。

思うに、新入生に対して、新歓コンパをしたり、新歓祭を開いたりして、大学を挙げて歓迎するというのはよくあるのですが、受験生に対してこういった熱い(?)エールを送る大学はあまりないのではないでしょうか。

さらに面白いのは、この二つとも大学が音頭を取っているのではなく、学生が自主的にやっている活動なんですね。受験当日は大学が休みなうえ、大学側が奨励しているわけでもありません。そんな状況で、わざわざ学生が勝手に、小渕恵三像をつくったり、立て看板を描いたりする。これはある意味すごいなと思います。受験生も、こういった打算のない歓迎ムードに触れると、ここに入りたいなという気持ちが湧いてくるような気がします。

大学の入試広報に関わっていると、どうしても受験を数字的な視点で捉えてしまいがちです。昨対で人が増えたとか減ったとか、歩留まり率がどうかとか。でも、当然ですけど、受験生は、大学の経営状況を左右する数値である前に、これから同じ大学でともに過ごす(かもしれない)“仲間”なんですよね。新しい仲間に何ができるかという気持ちで、受験生と関わるのはとても大事だし基本です。それが学生たちの文化として根付いているということに、京大の懐の深さを感じます。

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