2018/06/15

脇役が輝く1日で、オーキャンにさらなる深みを(拓殖大)


オープンキャンパスで何を伝えるべきか、どう伝えるべきか。ちょうど今がオープンキャンパスの告知ツールをつくる時期ということもあり、大学の職員さんたちとたびたび話しをします。そのなかで、職員さんたちから感じるのは、内容がマンネリ化していて何かを変えたい、というほわっとしたニーズです。

実際のところオーキャンにはプログラムとして外せないものが多く、簡単に変えられないからこそ、こういうニーズが出てくるような気がします。でも、毎回のプログラムを根本からいじならなくても、ちょっと工夫をすることで、オープンキャンパスの見え方を変えることができるかもしれない。拓殖大学のイベントには、そんなヒントがあるように思います。

以下、大学プレスリリースより。


拓殖大学が7月1日にスポーツを体験して楽しむイベント「スポーツオープンキャンパス」を開催 -- 「国際フェスティバル」も同時開催 
「スポーツオープンキャンパス」では、現役学生によるスポーツのデモンストレーションやパフォーマンスなど、参加20競技団体によるオリジナル体験プログラムが用意されている。また、スポーツ教室だけではなく、オリジナルグッズがプレゼントされるスタンプラリーや、相撲部による振る舞いちゃんこもあり、盛りだくさんのプログラムとなっている。(後略)

スポーツオープンキャンパスといのは、何とも聞き慣れないフレーズです。これは、受験生に限定しておらず、大人から子どもまで誰もが参加できるイベントです。いわゆるオープンキャンパスとは違うのですが、でも、これはこれで、受験生に大学の魅力を伝えるために、なかなか役に立つように思います。

一般的なオープンキャンパスで、受験生たちがまず興味を持つのは、学部学科の模擬授業であったり、説明会です。大学側もそれがよくわかっているので、教学内容を伝えることに、とても力を入れます。これは間違ったことではないのですが、全体説明があって、興味のある学部学科のイベントに参加して、そのあと学食でランチをしたら、もうほとんどの受験生は集中力が切れてしまいます。そのあとは“消化試合”になるか、それにすらならず早々に帰ってしまうか…。そうなると、教学内容に比べては優先度が低いけど伝えたい情報を、じっくり伝えるということが、なかなかできません。

なら、拓殖大のスポーツオープンキャンパスのように、教学内容を伝えることをハナから止めて、サブの魅力を伝えることに特化したイベントをするのも、ありなように思います。そして、その内容が受験生以外にも興味があるものであれば、より広く門戸を開けるというのもいいように思うのです。

……と、ここまで書きましたが、拓殖大のスポーツオープンキャンパスがどういう経緯で生まれたのかが、サイトを見てもわからなかったので、ほとんど私の推測というか妄想です。しかし、ここで書いたような効果を、このイベントで十分に見込めるように思います。

変なたとえですが、マンガを読んでいると、時おりサブキャラが主役を担うエピソードがあり、それが妙に新鮮で印象に残ることがあります。こういったエピソードがあると、物語にぐっと深みがでてきます。同様に、年に何回もあるオーキャンのなかに、1回だけサブキャラが主役の回をつくるのはどうでしょう。未知な取り組みになるため動員が心配なら、拓殖大のように地域向けイベントという側面を足すのもありです。通常のオーキャンはそのままにして、エッジが立った1回を足す。そんなやり方でも、きっとオーキャンに変化が生まれるし、ぐっと深みがでてくるはずです。

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